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無電解ニッケルと硬質クロム

どこにも均一に。表面は硬く。それぞれの土俵で勝ちます。

無電解ニッケルは内部形状を含む複雑な形にも均一に付きます。硬質クロムは表面の硬さで群を抜きます。それぞれに向いた用途があり、違いを知っていれば正しく指定できます。

工法の比較中国・無錫市最小ロット1個DFMレビュー込み

並べて見るまとめ。

無電解ニッケル

電流を使わない化学的なニッケルめっきです。内部の空洞、ねじ、止まり穴まで、あらゆる面に均一に析出します。硬さは500から600HVで、耐食性も良好です。

硬質クロムめっき

硬さに振った電気クロムめっきです。800から1000HVで、耐摩耗性は随一。ただし均一ではなく、外面には厚く付き、空洞の内側では薄いか付きません。油圧シリンダーの定番です。

項目ごとの内訳。

項目無電解ニッケル硬質クロム
析出したままの硬さ500から600HV800から1000HV
熱処理後の硬さ900から1000HV800から1000HV
膜厚の均一さ優秀(内面にも)劣る(見通せる面のみ)
標準的な厚さ5-25 µm25-50 µm
耐食性良好並(多孔質)
耐薬品性優れる良好
耐摩耗性良好優れる
摩擦係数0.15(PTFE入りなら0.1)0.15
処理の温度85-95°C50-60°C
一個あたりの費用基準無電解ニッケルの0.8倍から1.2倍
納期5日から7日5日から7日
代表的な用途複雑な部品、化学装置油圧ロッド、摺動面

どちらをいつ選ぶか。

無電解ニッケルを選ぶのは次の場合です。

硬質クロムめっきを選ぶのは次の場合です。

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よくあるご質問

どこにも均一に — よくある質問

無電解ニッケルはなぜ均一なのですか

無電解ニッケルは電流ではなく化学的な還元によって析出します。液が濡れた面すべてに等しく触れるため、複雑な形状でも膜厚のばらつきは一割以内に収まります。電気めっきのクロムは電流を要し、電界の線に沿うので、角や突起に厚く付き、くぼみや電気的に遮られた場所では薄いか付きません。内部形状が入り組んでいる場合や、寸法精度を被膜で出したい場合は、無電解ニッケルが正解です。

硬さの差は効きますか

純粋な耐摩耗性なら、800から1000HVの硬質クロムが、析出したままでは500から600HVの無電解ニッケルを上回ります。ただし400℃で焼き戻した無電解ニッケルは900から1000HVに達し、クロムに並びます。熱処理さえすれば硬さはほぼ同じで、実際の摩耗の進み方も変わりません。用途に見合った硬さを指定してください。

環境と法規制はどうなっていますか

硬質クロムめっきは六価クロムの浴を使います。毒性があり規制の対象で、欧州のREACHは六価クロムへの制限を強めており、代替も現れつつあります。無電解ニッケルは制限が緩く、六価クロムを含みません。欧州の客先や、REACHに目を配る相手には無電解ニッケルが好まれます。三価クロムめっきという手もありますが、性質は従来の六価クロムに及びません。

水素脆化はどうですか

硬質クロムを含む電気めっきは、HRC40を超える高強度鋼に水素脆化を起こすことがあります。めっき中に原子状水素が金属へ入り込み、遅れて脆性破壊を招くのです。対策はめっき後の焼鈍で、190℃に8時間から24時間保ちます。航空宇宙や安全に関わる部品では当たり前の手順です。無電解ニッケルは水素脆化を起こさず、焼入れした鋼の部品ではこれが利点になります。

PTFEを含ませた種類はありますか

PTFEを共析させた無電解ニッケル、いわゆるEN-PTFEやNedox、Poly-Ondは、摩擦係数が0.1以下になります。金型の離型膜、摩擦の小さい摺動面、特殊な弁などに使われます。費用は増えますが、代わりのきかない働きをします。PTFEを含むクロム被膜も同様に存在しますが、あまり一般的ではありません。摩擦をとことん下げつつ耐摩耗性も要るなら、EN-PTFEが最上の答えです。

油圧にはどちらを

昔ながらの油圧シリンダーのロッドは、硬質クロムをかけた鋼です。理由は三つあります。ロッドは外側の円筒であり、めっき槽から見通せること。シールには硬い相手面が要り、クロムがそれを与えること。そして八十年を超える実績がある工法だということ。近ごろは無電解ニッケルも勢いを増しており、硬質クロムとの複合や、摩擦を下げたEN-PTFEが使われます。新しい油圧設計ならどちらでも構いませんが、既存機の更新や標準的な用途では今も硬質クロムが既定です。

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